ついにエロスの道の終着点に到達する。その者は突如、ある驚くべき本性を持った美を目の当たりにするのだ。ソクラテスよ、それまでのすべての苦労は、その美のためになされてきたものなのだ。
光文社古典新訳文庫版、150頁
理想の恋愛のように、なんとなく語られる「プラトニックラブ」。
でも、この言葉の意味をあなたは、本当に理解していますか?
“肉体関係がない恋愛”という漠然な意味で使っていませんか?
この回では、そのプラトンの恋愛論である『饗宴』を読んで、その真意や、皆さんの恋愛観についてのお考えを議論していこうと思っています。
- 祝宴に集まったソクラテスら7人が、余興に、エロスを賛美する演説を始める。果たして、エロス(恋)とは何か?ソクラテスは何を語るのか?
なぜ、人は恋をするのか?
複数の相手に恋してはいけないのか?
異性愛、同性愛、様々な愛の形はどう捉えられるのか?
恋の相手は、人間だけに限られるのか?
古代ギリシアで推奨された「少年愛」の真意とは?
子どもをなぜ生むのか?
愛と美と恋の関係とは?
昨年2019年には、日曜日に開催しましたが、今回は平日の開催になります。
その際は、本書の論旨、ソクラテスの主張、つまりプラトン哲学批判が大勢を占めましたが、今回はどうでしょうか?
ちなみに、取りあげる本は『饗宴』(シンポシオン=共に飲む)ですが、飲酒は禁止ですよ(笑)
開催日時
未定
2020年4月8日(水)19:00~20:50 を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、延期しました。
(開場は開始時間の15分前です)
開催場所
東京・池袋「がんばれ!子供村」
コミュニティスペース(2階)
参加費
1,000円
課題図書
プラトン『饗宴』
※岩波文庫、光文社版、角川ソフィアなど、どの版でも大丈夫です(電子書籍もあります)。
本リンカー 饗宴 (光文社古典新訳&岩波)
人間が元来持っていた体は、二つに分断されてしまった。だから、誰もが自分の半身を恋しがり、自分の半身と一緒にいた。
ようするに、人々が愛し求めるものは、よいもの以外にはない。
ひとたびあなたがこの美を見るならば、それは黄金や衣裳の比ではなく、世の美少年美青年の比でもないと思われるでしょう。
どんな者でも、人間のかたちをした子どもよりも、このような子どもを自分のものにしたいと願うことであろう。
それはまさにかの美そのものの知であり、彼はついに美それ自体を知るに至るのである。
ぼくはソクラテスと一緒に寝て、そして目覚めた。ところが、なにも特別なことは起こらなったのだ。親父と兄貴と寝たときと、なにも変わらなかったのだよ!
本編より(光文社古典新訳文庫及び岩波書店版プラトン全集より)