はじめての方へ

1.主宰者からのご挨拶
はじめまして。
当哲学カフェ主宰の藤沢と申します。
昨今、日本でも「哲学対話」という営みに注目が集まり、各所で実践され、広がりを見せています。その為の市井の場として「哲学カフェ」も各地で開催されています。
しかしながら、当哲学カフェは、「哲学カフェ」を冠していますが、上のような「哲学対話」の流れ・主流派とは、やや考え方を異にしています。
一般的な「哲学対話」では、手ぶらで考える、対話することが重視されています。故に、学問的な知識は不要、あるいは、むしろ邪魔になるという考え方が多いようです。
対して、当哲学カフェは、「本を読む」という事に重点を置いています。
哲学は、イコール「考える」と言っても過言ではありません。
徹底的に「考える」。
でも、まったく何も道標なしに、考えるのは難しい。手ぶらで考えることには、限界やリスクがあるのではないか?
何も知らない人々で話し合っているだけでは、「井の中の蛙」のような、独断・独善に陥ってしまう恐れがあります。
せっかく哲学をやるのなら、背伸びをして、過去の偉人・賢人の言葉や思考を出発点にしてみませんか。
ちょうど、「巨人の肩の上の小人」という言葉もあります。
我々は、どんなことを学ぶにしろ、偉大な先達たちの「歴史」という「巨人」の肩に、ちょこんと座る、小人です。
それは、今を共に生きている現代の学者、思想家、文学者の成果も含みます。
故に、古典や名著、良書などと呼ばれている本を「読んだ」上で、対話しましょう。
当哲学カフェでは、古今東西の哲学書や、それに類する文学作品から、はたまた素晴らしい「何か」を成した映像作品、アニメーションまで、考える材料なら何でも題材にします。
詳しくは、開催予定の詳細をご覧になって、ご自身のご興味のある会にいらっしゃって下さい。
主宰者個人のコラムもございますので、お暇でしたら、覗いてやってください。
ちなみに、ケアや自己啓発、スピリチュアルといったものは、会の方向性とは違いますので、ご注意ください。

2.参加者の方の声
「古典や名著を読むのは難しそう」「会の雰囲気に馴染めるか心配」など、ハードルが高いと心配になる方もいらっしゃると思います。
ここでは、各回の終了後にいただいた声の一部をご紹介します。
- 年齢性別関係なく、作品について話したいことがある人たちが集まって、その意見同士が触発し合ってまた展開していくのは面白かった。 こういうテーマについて深く話すのが好きな人たちがいる、ということが嬉しかった。
- はじめての参加にも関わらず、快く受け入れて下さり、本当にありがとうございました。皆さんが話し合われることのどれもが興味深く、こんなに楽しい時間が過ごせるのかと、ワクワクが止まりませんでした。私のような哲学に対してなんの知識もないものが参加しても良いものか、皆さんの対話を邪魔してしまうのではないかと不安もあったのですが、普段の生活の中では、今回のテーマにあるようなことを話し合う機会はない為、あの場にいられただけで、本当に幸せでした。
- 「哲学カフェ」の名の通り、哲学的な話題もちゃんと拾ってくれる方がたくさんいて楽しいひと時でした。
- ずっと参加してみたかったが、なかなか最初の一歩が踏み出せなかった。思い切って参加してみて本当に良かった。
- 家庭や職場では、とても話せない次元の話ができて勉強になったし、幸せだった。
- 経験談だけを語り合うのはではなく、これぞ「哲学」だという会でした。
- 議論している内容のベースとなる哲学的知識なども知ることができ、とても満足しました。毎回参加すると知らないことや知りたいことが増え、読みたい本や学びたい事柄が増えるのが悩みではありますが、それがとても楽しく感じます。ありがとうございました。
※個人の特定を避けるため一部加工しています。
「Q&A」も是非ご覧ください。



【おまけ】勇気をくれる名言
はじめての哲学カフェへの一歩を踏み出すための、背中を押してくれる名言たちを集めました。
私たちは作り話をする唯一の動物で、お話で暗闇を追い払い、物語のおかげで混沌と共存することを学び、見知らぬ人に自分たちの物語をとどけるために長距離を移動する唯一の動物だ。そして同じ物語を共有したときに、私たちは見知らぬ者同士ではなくなる。
イレネ・バジェホ『パピルスのなかの永遠』作品社、2023年、485-486頁
「書物は生き物。私に語り掛ける。」
映画「華氏451」より
子曰く、学びて時に之を習う。亦説(よろこ)ばしからずや。朋有り(ともあり)、遠方より来る。亦楽しからずや。人知らずして慍(いきど)おらず、亦君子ならずや。
『論語』
→【現代訳】孔子先生は仰った。「学んで時につけ復習することは、なんと嬉しいことか。学友が遠いところから会いに来てくれる、なんと楽しいことだ。人が自分をわかってくれなくても、そんなことは気にしない、いかにも君子だ」
君子=徳の高い人
「あらゆる良書を読むことは、過去の最良の人々と語り合うことだ。」
デカルト
物としての本のバリエーションは、機能の点でも、構造の点でも、五百年前となんら変わっていません。本はスプーンやハンマー、鋏と同じようなものです。一度発明したら、それ以上、うまく作りようがない。
ウンベルト・エーコ他『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』阪急コミュニケーションズ、2011年、24頁。