「この男は何を目あてに生きているのかと李陵は怪しんだ。いまだに漢に帰れる日を待ち望んでいるのだろうか。蘇武の口うらから察すれば、いまさらそんな期待は少しももっていないようである。それではなんのためにこうした惨憺たる日々をたえ忍んでいるのか?」
(本編より)
今回の哲学カフェは、作家 中島敦(1909-1942年)の中篇「李陵」をテーマに、哲学カフェ(文学読書会)を開催します。
【あらすじ】
漢の武将李陵。寡兵を率いて匈奴討伐に向かうも圧倒的な敵の軍勢に対し、奮戦するも降伏。これに激怒した武帝と群臣は李陵を非難する。太史令の司馬遷は命を賭して弁護するも、返って武帝の逆鱗に触れ屈辱的な宮刑に処せられ、さらに李陵が匈奴に与しているとの誤報が漢に伝わり、李陵の一家は連座で処刑されてしまう。
それを知った李陵は、同じく匈奴に捕らえられながらも漢への忠誠を貫き通した蘇武と会い・・・。
当会で、中島敦作品を扱うのは6作品目になります。
どの作品も示唆に富んでおり、作者の早世が惜しまれます。
今回の『李陵』は、「個人の意志」「自由」「生きる」等、今を生きる者にとっても様々な角度からの読みができるのではないでしょうか。
是非皆さんと語ってまいりましょう。
※この会のファシリテーターは、主宰者ではなく、M(日本文学専攻)が担当します。
開催日時
2026年1月25日(日)13:10~14:50
(13:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
中島敦「李陵」
→「青空文庫」にて無料で読めます。また、現代語訳で読まれてきてもOKです。
※必ず読了の上、ご参加ください。