「このような国家はどうしても一つの国ではなく、二つの国であらざるをえないということだ。つまり、一方は貧乏な人々の国、他方は金持の人々の国であって、ともに同じところに住み、たえずお互いに対して策謀し合っているのだが」
プラトン『国家』(下)岩波書店、2000年、189頁。
オピニオン誌「論座」2007年1月号に掲載されたひとつの論考が、センセーショナルな議論を呼びました。
タイトルは「「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希
望は、戦争。」
丸山真男といえば、東京大学で教鞭をとった日本を代表する政治学者であり、戦後民主主義の理論的指導者とされ、ある種、神格化されている人物です。
それを、「ひっぱたく」という強烈な表現と、「希望は戦争」という不穏な言。
寄稿した赤木智弘(1975年~)は、自身の境遇なども鑑み、硬直化・固定化された若者の貧困状態・格差状態を解消するには、もはや「戦争」しかないと結論付けます。
戦争状態に突入すれば、社会は一挙に流動化し、貧困から脱し、格差の楔から抜け出すチャンスもある。
戦時中、丸山眞男のようなエリートが非エリートの上官に、いじめ抜かれたという逸話が象徴する下剋上の世界。
要するに、国民全体が、一種のロシアンルーレットの状態に置かれること。
国民全体が「不幸になる平等」。
これを悲痛な叫びと受けとめるか、暴論と捉えるかは、皆さんに委ねられています。
しかしながら、米国で、貧困層の強烈な支持を受けてトランプ旋風が巻き起こった事を見れば、今日の米国は、明日の日本の姿かもしれません。
日本でも従来の社会規範に逆らうような事象・事件が頻発し、その予兆とも言えなくない。
その先には、「戦争」が待っているのか?
論考自体は短く、15分もあれば読み終わる長さです。
是非、皆さんで、格差・貧困がもたらす状況を考えましょう。
開催日時
2026年1月10日(土)13:10~14:50
(13:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
赤木智弘「丸山眞男をひっぱたきたい~31歳、フリーター。希望は、戦争」
・ネット上には、タイトルで検索すると、PDFで全文が公開されていたりします(著作権上の権利関係が不明瞭なため、リンクは貼りません)。
・本の中にも収録されています。以下に当該書籍のリンクを貼っておきます。本全体を読まなくても、該当論考のみ読んできていただければOKです。15分くらいで読めるかと。
・単行本は193~207ページ
※必ず読了の上、ご参加ください。