わたしの息のつづくかぎり、わたしにそれができるかぎり、決して知を愛し求めること(哲学)を止めないだろう。
(岩波書店版『プラトン全集』より)
西洋哲学古典中の古典。
弟子プラトンが描く、師ソクラテスのかくも堂々たる弁明。
ここで歴史は変わったのかも知れません。
今回は、おそらく哲学書としては最も有名であろう『ソクラテスの弁明』を取り上げたいと思います。
ソクラテス自身は生涯何も書かかずに、その弟子であるプラトンなどが、その師の言葉・生き様を描きました。
この『ソクラテスの弁明』も、プラトンの筆により、ソクラテスが「国家の認める神々を認めず、別の新奇のダイモーン(神霊)を導入し、かつ、青年たちを堕落させた」という罪で告発された、いわゆる「ソクラテス裁判」を描いています。
アテナイ市民500人の陪審員の前で、ソクラテスは、自らの告発に対して、堂々と反論します。
果たしてその行方は?
彼は何も知らないのに、何かを知っていると信じており、これに反して、私は、何も知りもしないが、知っているとも思っていないからである。
(岩波文庫版、21頁)
一体、ソクラテスは何を言いたかったのでしょう?
本当に正義に殉じたのか?
なにはともあれ、まずは読んでみないと始まりません。
かつて読んだ方、又、まだ読んだことが無い方も多くいらっしゃると思います。
この機会に一度、読んでみては如何でしょうか?
岩波文庫版では60ページほどの非常に短い作品です。
ソクラテスの言葉の真意を、皆さんで探っていきましょう。
開催日時
2020年3月7日(土)14:00~16:00
(開場は開始時間の15分前です)
開催場所
東京・池袋「がんばれ!子供村」
コミュニティスペース(2階)
参加費
1,000円
課題図書
プラトン『ソクラテスの弁明』
※岩波文庫、光文社社文庫版などがあります。どちらの出版社の版でも結構です。
※漫画版や抄訳(全文ではなく一部の抜粋版)版はご遠慮ください。
死を恐れるということは、いいですか、諸君、知恵がないのに、あると思っていることにほかならないのです。
(岩波書店版『プラトン全集』より)
彼の妻が、「あなたは不当に殺されようとしているのです」と言ったら、
「それならお前は、ぼくが正当に殺されることを望んでいたのかね」と応じた。
ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝(上)』岩波書店、1984年、145頁。
※本イベントは終了しております。開催レポートはこちら。