人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ
フランクル『夜と霧』みすず書房、2009年、145頁。
2025年8月は、戦後80年に当たります。そこで、8月は〈戦争と平和を考える哲学カフェ〉として、関連テーマを集中的に開催します。
この回で取り上げるのは、世界的なロングセラーである『夜と霧』です。
ユダヤ人心理学者のヴィクトール・エミール・フランクル(1905-1997年)が、実際に絶滅
強制収容所に収容されて、辛くも、解放された後に、自身の、おぞましい体験を書き記した手記です。
フランクルは、1942年にナチスに家族と共に捕らえられ、テレージエンシュタット、アウシュヴィッツ、テュルクハイムの各強制収容所を転々とし、1945年10月に連合軍によって解放されました。
その過程で、新妻と両親を失っています。
悪夢のような極限状態で、フランクルは何を見たのでしょうか?
この人類史上最悪の、悪魔の所業の体験記から、一体我々は、何を読み取れるのでしょうか?
かつては、「なにほどかの者」だったし、すくなくともそう信じていた。ところが今ここでは、文字通りまるで番号しかないかのように扱われる
『夜と霧』2009年、105頁。
残念ながら、第二次大戦後も、大量殺戮が止むことはありませんでした。そして今なお、それは続いています。
開催日時
2025年8月30日(土) 15:10~16:45
(15:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
V・E・フランクル『夜と霧』(みすず書房)
霜山徳爾・訳と池田香代子・訳の新旧2つの版が出版されています。どちらの訳でも大丈夫です。
※必ず読了の上、ご参加ください。