メロス委員「諸君にとって支配するのが利益になるのと同じように、吾々にとっては奴隷になるのが利益になる、そんなことがいったいどうして起こりえようか」。
アテナイ使節「諸君は最悪の運命に陥る前に、服従できることになるし、吾々は諸君を滅亡させずに、富を増やせるというわけだ」。
トゥキュディデス『歴史』※1
もはや日本アニメーション史を語る上で、これ無くしては語れない最高傑作にして最大の問題作。
なし崩し的なPKOとその破綻、突然の大規模テロ、警察と自衛隊の対立、政府の不作為と無能、泥縄式の治安出動、そして日米安保という、戦後日本の宿痾を、「自衛隊のクーデター」というタブーで描いた鬼才押井守によるポリティカルフィクションです。
「戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む。単に戦争でないというだけの消極的で空疎な平和は、いずれ実体としての戦争によって埋め合わされる。そう思ったことはないか?」
(本編より)
公開から既に、30年を経過した作品ですが、ロシアのウクライナ侵攻や台湾海峡の緊張、それに伴う防衛費の大幅増・・・。国内外の情勢が緊迫し、キューバ危機以来の「第三次世界大戦の危機」に瀕している近年では、また違った視点の議論が展開されるのではないでしょうか。
今回は、この作品を通して、「戦後」や「政治」といった問題を中心に対話したいと考えています。他にも、押井守論やアニメーション論・映画論、軍事問題なども対象になるかもしれません。
【開催日時】
2024年2月23日(祝・金)天皇誕生日
16:10~17:45(開場16:00)
【参加費】
1000円+ワンオーダー実費
【開催場所】
新宿三丁目駅の至近・徒歩圏の喫茶店会議室
(※参加者の方には、メールで詳細をお知らせします)
【募集人数】
10名
※このイベントは終了しました
【課題作品】
映画「機動警察パトレイバー2 the Movie」(1994年)
↑必ずご鑑賞の上ご参加ください。当日の上映はありません。
【参考記事】
議論の参考になりそうな記事のリンクを以下に貼っておきます。ご興味があれば(外部リンク)
※1.トゥキュディデス『歴史2』京都大学学術出版会、2012年、75頁。