【空席あり】8/2(土)カール・シュミット『政治的なものの概念』~政治、国家、戦争の本質とは何か【戦後80年企画】

カエサル

決定的な政治的単位としての国家は、途方もない権限を一手に集中している。すなわち戦争を遂行し、かつそれによって公然と人間の生命を意のままにする可能性である。

『政治的なものの概念』未来社、2006年、48頁。

2025年8月は、戦後80年に当たります。そこで、8月は〈戦争と平和を考える哲学カフェ〉として、関連テーマを集中的に開催します。

なぜ戦争はなくならいのでしょうか?

なぜ国家は戦争に突き進むのでしょうか?

「政治」の本質とは何でしょうか?

このような問題を考える為、今回は、ドイツの法学者・政治思想家であるカール・シュミット(1888-1985年)の主著『政治的なものの概念』をテーマに哲学カフェ(読書会)を開催します。

シュミットは、「政治」の本質を「友・敵」に求めます。

あらゆる分野には、それをそれたらしめている、それ固有の究極的な区別がある。

美的なものであれば、そこには「美」と「醜」の区別があり、道徳には「善」と「悪」が、経済には「利(益)」と「(損)害」が・・・etc.

では「政治的なるもの」をそれたらしめている固有(特殊)の区別とは何か?

シュミットは、「友」と「敵」の区別こそ「政治」の本質であるとする、いわゆる「友敵理論」を唱えます。

あらゆる分野の区別も、それが闘争の色彩を帯びて来れば、やがて「政治的なもの」に転嫁し、友と敵に分かれる。

この「友敵理論」は、政治哲学・政治思想に大きな影響を与えました。

他方、シュミットは、ナチスのイデオローグ・御用学者であったという側面も見逃せません。

故に、現在に至るもその評価を巡って喧々諤々の議論が続けられています。

この様な複雑な背景を持つ思想家と本書ですが、国家・戦争・政治を考える上で、大きな示唆を与えてくれるはずです。

究極的な政治手段としての戦争は、すべての政治的概念の基礎に、この友・敵の区別の可能性が存在することを露呈するものである。

『政治的なものの概念』31頁。

未来社版で100ページあまり、論旨は明解ですので、ぜひ挑戦してみてください。

開催日時

2025年8月2日(土)13:10~14:50

(13:00開場)

開催場所

中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)

・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。

参加費

1200円

募集人数・参加要件

10名程度(最少催行人数4名)

17才から60才までの方

課題作品

カール・シュミット『政治的なものの概念』

※どの出版社のものでも構いません(岩波書店、未来社、光文社など)

※必ず読了の上、ご参加ください。

真の政治理論とは、すべて、人間を「悪なるもの」と前提する、すなわち問題をはらまぬものとしてでは決してなく、「危険な」かつ動的な存在としてみなすものである

『政治的なものの概念』74頁。

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