いわば、全員一致という儀式をとり行うにあたり、その道具が求められていたにすぎない。
決断の内容より、“全員一致”のほうが大切だったとみるほかなく、これがいま欧米で注目されている日本的意思決定システムの内実であることを忘れてはならない。
『昭和16年 夏の敗戦』(新版)中央公論新社、2025年、192頁。
毎年8月は、戦争と平和をテーマに哲学カフェを開催しております。
今回は、作家・猪瀬直樹(1946年~)の歴史ノンフィクション『昭和16年 夏の敗戦』をテーマに哲学カフェを開催します。
【概要】
昭和20年(1941年)、夏
日米関係が緊張感を増す中、政府各省庁や軍部、民間などから選抜された若きエリートたちが、永田町の一角に秘かに集められていた。
彼らは、設立されたばかりの「内閣総力戦研究所」の研究生として、来るべき「総力戦」に関しての知見を養うために集められたのだ。
そして、彼ら自身が、模擬内閣を構成し、対米戦の机上演習(シミュレーション)を実施する。
あらゆるデータを客観的に分析、様々な事態を想定し対処していく。
その結果は、「日本必敗」。
この結果は、時の近衛文麿内閣にも報告されたが、それが活かされることはなく、わずか数か月後、日本はハワイの真珠湾を奇襲攻撃する…
日米開戦直前に、日本側は、自国の敗北をシミュレーションで予測していたという、衝撃的な歴史の秘話を解き明かしたノンフィクション作品です。
実際の太平洋戦争は、ほぼ、総力戦研究所のシミュレーション通りに進行します。
ただひとつ、空前の新兵器「原子爆弾」の投下を除いては…。
なぜ、予測されながら、開戦してしまったのか?
日本的な意思決定システムの問題
政治における客観性と希望的観測の問題
終戦の夏に、皆さんで考えてみましょう。
開催日時
2026年8月1日(土)13:10~14:50
(13:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
猪瀬直樹『昭和16年 夏の敗戦』(第二章 イカロスたちの夏)
※必ず読了の上、ご参加ください。本書中の「第二章 イカロスたちの夏」が対象です。他の省も含めて一冊全部読める方は読んでみてください。