苦痛を受けとる主体──「わたし」の存在が問題なのです、と医者は答え、さらに言葉を継いだ。いったい、どこからが「わたし」なんでしょうね、と。いったいどれだけの脳の部位、どれだけの人格や意識を構成する機能モジュールが残存していれば、「わたし」と呼ぶに充分なのでしょうか。
『虐殺器官』早川書房、2007年、141頁。
今回の哲学カフェは、ゼロ年代の日本SFに革命を起こしたといわれるSF作家、伊藤計劃のデビュー作『虐殺器官』をテーマに開催します。
【あらすじ】
9.11後の世界。先進国では徹底した生体認証と監視によってテロが抑圧される一方、途上国では内戦と虐殺が連鎖的に発生していた。
アメリカ情報軍のクラヴィス・シェパード大尉は、虐殺を引き起こしたとされるジョン・ポール暗殺のため、チェコへ潜入し、そこで語学講師のルツィアと出会う。
シェパードは彼女と話す中で、これまでの罪の赦しを得ることを求めるようになっていく。そして…
「伊藤計劃以後」といった言葉を生み出すほど反響を呼んだ本作は、哲学、倫理学、進化心理学、ポストヒューマニズム、アメリカ国際政治といった多様な観点から読むことできます。
意識とは何か、自由意志とは何か、作品の魅力と共に考えたいと思います。
※この回はファシリテーターはT(西洋史/表象文化論 専攻)が担当します。
開催日時
2026年9月13日(日)15:10~16:45
(15:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワ文庫
※必ず読了の上、ご参加ください。