「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にある」
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』
明るいことは、本当にそれだけで良いことなのでしょうか。
電灯が生活の隅々までを照らし、西洋式の建築や生活様式が急速に広がっていった昭和初期。谷崎潤一郎(1886~1965年)は『陰翳礼讃』で、日本の家屋、床の間、漆器、羊羹、能、そして厠にいたるまで、さまざまなものを取り上げながら、「陰」のなかに生まれる美について考えます。
暗い座敷の奥に置かれた金箔、ほのかな光を受ける漆器、闇のなかで初めて姿を現す色や質感。谷崎にとって、美しさは物そのものに備わっているのではありません。光と闇、物と空間、その関係のなかから立ち現れてくるものでした。
私たちは、より明るく、より便利に、より清潔にすることを「進歩」と考えてきました。しかし、すべてを明るみに出すことで、かえって失ってしまうものはないのでしょうか。
そもそも「美しい」と感じる感覚は、どこから生まれるのでしょう。美は対象そのものにあるのか。それとも、それを見る環境や文化、私たち自身の感覚によって生み出されるものなのか。
近代化によって失われつつあった「陰翳」を手がかりに、美しさ、便利さ、文化、そして私たちのものの見方について考えます。
開催日時
2026年11月7日(土)15:10~16:45
(15:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第2集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』
(どの出版社の版でも大丈夫です。)
※「青空文庫」で無料で読めます
※必ず読了の上、ご参加ください。