「ホロコーストを生きのびた者は一人もいないといわれる。たとえ命だけはなんとか助かったとしても、被害者は取り返しのつかない傷を受け、本来の精神、魂、人間性を永遠に失われてしまったのだと。それが真実だと考えたくはない。だがもしそれが真実だというのなら、ゾンビ戦争を生き延びた者は地上に一人もいないということになるだろう。」
『ワールド・ウォー・Z』文藝春秋、2010年、522頁。
今回は、現代アメリカの作家マックス・ブルックス(1972年~)の長編SF小説『ワールド・ウォー・Z』(2010年)で、哲学カフェ(SF読書会)を開催します。
ゾンビと人類の戦いを、政治、軍事、国際関係、経済、文化、生活などのあらゆる側面から緻密に描写して、世界規模で描いた異色のSF小説です。
【あらすじ】
これはインタビュー集である。
中国最奥地で発生し、瞬く間に世界中に広がった未知の伝染病。
それは、感染者を死に至らしめ、やがて蘇生させ、人肉喰らいの「ゾンビ」に変貌させてしまうものだった。
圧倒的な「歩く死者」の群れの前に、人類社会は敗北するかに見えたが…。
本書は、この「ゾンビ世界大戦(WORLD WAR Z)」に関わった人々への、国連調査官による「戦後」のインタビュー集である。
いかに我々は危機に陥り、戦い、辛くも勝利したのか。
WORLD WAR Z後の国連によるインタビュー調査資料の体裁をとる連作短編集です。
過去の多くのゾンビ作品は、一群の主人公らにスポットを当て、局所的に描かれてきました。
それに対して、本書は、「その時、世界は」というマクロ的視点を主軸に据えます。
それも、米国大統領や政府高官・将軍だけではなく、前線の兵士や一般の企業家や主婦、詐欺師まで網羅します。
舞台となる地域も、米国はもとより、中国、中東、インド、ヨーロッパ、そして日本まで、世界中に広がります。
短編のひとつひとつが異なる余韻を持つ、珠玉のSF連作短編。
ぜひ、この作品世界、ひいては「ゾンビ」という存在を考え、語り合いましょう。
開催日時
2026年6月21日(日)13:10~14:50
(13:00開場)
開催場所
中央区立産業会館(東京都中央区東日本橋2丁目22−4)第4集会室(4階)
・JR総武線浅草橋駅、JR総武快速線馬喰町駅、都営浅草線東日本橋駅、都営新宿線馬喰横山駅の各駅から徒歩10分以内。
参加費
1200円
募集人数・参加要件
- 10名程度(最少催行人数4名)
- 17才から60才までの方
課題作品
マックス・ブルックス『ワールド・ウォーZ』
(文庫版は上下二巻)
※必ず読了の上、ご参加ください。
(映画版ではありません、映画版は全く別物です)