【戦後80年企画】8月は「戦争と平和を考える哲学カフェ」~日本でいちばん「楽しくない」哲学カフェ

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やがてそれぞれの国には、大規模で限界のない、一度発動されたら制御不可能となるような破壊のためのシステムを生み出すことになる。人類はこれまで一度もこのような状況にあったことはない。美徳が著しく向上したり、より賢明な指導を享受したりすることなく、人類ははじめて自分たちを絶滅させることのできる道具を手に入れた。これこそが人類の栄光と苦労のすべてが最後に到達した運命である。

ウィンストン・チャーチル『世界の危機』

6500万人もの命はなぜ失われたのか?

2025年は、第二次世界大戦終結から80年目にあたります。

1939年9月のドイツ軍のポーランド侵攻に始まり、1945年8月の日本が降伏したことにより終結した、この6年に及ぶ戦争は、歴史上、最大最悪の悲劇となりました。

一説には、その犠牲者は6500万人とも言われます。

8月は、日本にとっては、広島・長崎への原爆投下、ポツダム宣言の受諾、15日の玉音放送と、敗戦を象徴した月と記憶されています。

かつて、8月といえば、テレビでも、戦争を伝える、報道番組やドラマが盛んに放送されていましたが、昨今、わずかに戦争関連番組が見られるだけで、激減してしまいました。

この風潮に、主義思想を超えて、違和感かつ危機感を感じます。

当哲学カフェでは毎年8月は、「戦争と平和」に関する作品をテーマに哲学カフェ(読書会)を開催していますが、今年は、戦後80周年に当たり、例年より開催数を増やして取り組みます。

戦争と平和、それに関連して国際政治、ナショナリズム、全体主義、民主主義といった関連テーマを集中的に取り上げます。

はっきり申し上げて、「楽しい」ことを目的にはしておりません。

「楽しい」(知的好奇心を満足させる)ことばかりが哲学カフェの、少なくとも哲学の目的ではありません。

どちらかというと悲惨で、不愉快な、人間の浅はかさを考える時間になると思います。

日本でいちばん「楽しくない」哲学カフェにしようと企画しました。

古代ギリシアの哲学者プラトンは、その代表作『国家』において、政治権力が哲学的叡智によって統御されない限り、人類の不幸は終わらないと看破しています。

アウシュビッツとヒロシマを前にして、一体我々は何を考えられるのでしょうか?

参加者の方には、テーマになっている書籍・映画を、読んで(観て)きて頂いて、他の方々と対話・議論していただきます。

詳しい内容・日程は、各テーマのリンクをご覧ください。

8/2(土)

  1. カール・シュミット『政治的なものの概念』
  2. 丸山真男「超国家主義の論理と心理」

8/10(日)

  1. 池田晶子「愛国心は誰のため」
  2. 映画「この世界の片隅で」

8/15(金)終戦記念日

  1. 映画「日本のいちばん長い日」(2015年版)

8/30(土)

  1. NHK映像の世紀 第5集「世界は地獄を見た」
  2. V・E・フランクル『夜と霧』

哲学カフェ全体の日程(リンク)

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